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アインシュタインが一般相対性理論を1916年に発表して以来、重力による空間の歪みという概念は、人間の社会生活に影響することはないと考えられていたが、GPSで相対論による補正がないと正しい測定結果が得られないという事実は驚きでもある。 これとは別に、GPS時刻 (GPS衛星がもっている基準時刻系)では、数年に1度加えられる閏秒 (UTとTAIの差が大きくならないように挿入される秒) を修正したことがないため、GPS時刻はUTから18秒進んでいる(2006年1月1日の修正後)。この差はGPS信号の中に含まれているため、受信機ではこの差を補正して時刻を出力している。 1990年から2000年までは、米国の軍事上の理由(敵軍に利用されることを防止する)で、C/Aコードにおいて民生GPS向けのデータに故意に誤差データを加える操作(Selective Availability,略称 SA)が行われ、精度が100m程度に落とされていた。 SAが加えられていたときから既にGPSは民生用として有用であることが知られていたため、2000年5月2日に米国はGPS技術を広く役立てて欲しいという主旨でこれを解除した。競合技術であるガリレオ(EUが主体となって推進している)が提案された理由のひとつに、GPSのSAによる誤差により民生用で精度が上がらないということがあるが、これに対して優位を保ち続けリーダシップを取るという米政府の意図も含まれている。SA解除以降は、民生GPSでもC/Aコードの技術的な限界までの精度が得られるようになっている。ただし今後も米国の政策上の必要に応じて、有事があった際など特定地域において精度低下の措置がとられる可能性がある。 すばる望遠鏡のように固有のセシウム原子時計を持っている巨大設備を除けば、多くの天文観測設備では天体追尾にGPSに同期させることで補正するクォーツ時計やルビジウム時計を用いている。このため、米国が秘密裏にSAを加えようとしても、少なくともSAが加えられたこと自体はエラーとして検出される。 1999年8月21日問題 (GPSの時計が桁溢れする日) などが1024週ごとにある。これは、GPS衛星に搭載されている時計の週の積算データが10ビットで管理されているため、GPS時計の周期開始日である1980年1月6日から1024週後の1999年8月21日(日本時間では1999年8月22日午前9:00)にリセットされて内部で0週に戻ってしまう仕様となっていたのを無視してカーナビゲーションシステムを製造したために、発生した問題である。当時、対応が迫られていた2000年問題と同根の問題であることもあり、こう呼ぶ。 日本国内において修正ミスが原因の不都合が、一部のカーナビゲーションシステムで生じた。 次にGPSの週の積算が0になるのは基点から2048週間後の2019年4月7日午前9:00(JST)である。 登山用はもともと数値的に経度と緯度を表示するだけのものであった。これは経度と緯度が細かく記してある正確な地図がなければ役に立たない。この種のものはトラッキング(移動経路)を記録することができるものが多く、登山のみならずグライダー等での競技にも用いられている。最近では登山用でも、白黒の低解像度の地図を内蔵するものから比較的詳細なカラー地図を表示できるものへと進化が進んでいる。いずれにしても電池切れや故障に備え地図と磁気コンパスを携行することは必要である。 一方ナビゲーション外国為替 とは別に、アスリート用に走行距離、ラップなどを表示する、腕時計のような形態の非常に小型の製品も実用化されている。 携帯電話にGPSを組み合わせた製品も出現している。この種の製品では、地図情報・GIS情報をサーバ側にもつことにより詳細な地図を提供したり付加サービス(例えば最寄のフランス料理店を検索し電話を掛けて予約する)の可能性が拡がっている。また情報を送信できないGPSと送受信機である携帯電話を組み合わせ、セキュリティ(児童誘拐や徘徊老人対策等)への応用も拡がっている。 携帯電話との組み合わせならではの技術として、外為 が開けていない場所でも携帯電話の基地局の位置情報を補助情報として利用する方式があげられる。また位置計算が高速でできない携帯電話のために、測距情報をホストに送り、緯度・経度・高度情報を携帯端末に送り返してもらうというシステムも存在する。 船舶にとってGPSは重要な航法支援設備である。航空機同様、陸から離れたら目印をもたない海上において、遭難・衝突や座礁を免れるために、精度の良い航法支援システムを利用することは重要であった。そもそもGPSはロラン-Cに取って代わるためにつくられたシステムである。 漁業用や個人用のレジャーボートに搭載されるGPSでは、魚群探知機と組み合わせ、漁場をマークするなどの機能が付加されているものもある。 カーナビはGPSの実装において技術的に有利な応用である。自動車からは安定した大容量の電源が供給でき、GPS用アンテナを良い位置に設置することができる。また本体が大きくてもよいため、詳細なカラー地図を内蔵することができる。 近年では地図のみならず他のGIS情報(例えば電話番号やレストランのリストなど)まで内蔵するようになり、ROMなどで固定データを本体に内蔵するのは不利になる。そのためハードディスクやDVDの利用により地図情報その他を更新できるものも増えてきた。 レーダー等による速度規制取締りを行なっている場所(その他シートベルト着装取り締まり等を含む)の緯度・経度をデータとしてもち、その近辺で警告を発する機器も存在する。(レーダー探知機の項を参照) GPSやGLONASSなどのFX 情報を航空機にも使用することが促進されている。 従来の航空機航法は、VOR・DMEなどの地上後方支援施設を用い、いわば電波の灯台への方位・距離を測定して現在位置を知る方法だった。これに対し、衛星が4個以上みえていればある程度の精度で絶対位置がわかるGPSは、航空機向けの測位方式であるともいえる。 しかしながら、GPS信号をそのまま航空航法に使用するには 測位の安全性・信頼性・精度等に問題がある。具体的には、低高度、特に精度がもっとも必要とされる着陸寸前の地形による遮蔽・マルチパス、機体の姿勢変更に伴いロックした衛星(測位に用いている衛星)が変化すること、一般にGPSによる測位では航空機にとって重要な高度方向の精度が緯度・経度方向の精度より低いこと (しかしこれは計算方法にもよる)、などである。 ただし、大型機ではINS(慣性航法装置)や従来の測位方式などと併用すること、小型機ではVFR(有視界飛行方式)が主であることなどから、実際の運用では(制度上認められていない)機長判断の参考として用いられている場合が多かった。 こういった流れを受けて、また近年では航空機運行の高密度化により定められた以外の航空路を飛ぶための一手段として、GPS情報を航法に利用することが国際民間航空機関(ICAO)や国土交通省航空局(JCAB)で検討されてきた。その成果として日本では、一部の空港の離着陸手順においてRNAV (GPS)航法の実施が2007年9月27日より開始された[1]。航空機はウェイポイントとよばれる架空の点を結ぶ線を経路とするように飛行する。従来のVOR/DME航法では、VOR/DMEの位置、あるいは1つまたは2つのVOR/DMEから一定の方位角・距離にある架空の点をウェイポイントとしていた。これに対しRNAV航法では、地上施設に拠らない自由な点をウェイポイントとして定めることができるため、飛行経路の短縮による運行時間の短縮、燃費の節約などが見込まれる。 航空機での精度向上を一次目的とした、静止衛星型衛星航法補強システム (SBAS: Satellite Based Augmentation System) の運用が以下の各国で開始されている。 SBASでは、GPS衛星の補正情報(特に高度情報の補正)や信頼性情報を送信し、またSBAS衛星自体も測位のためのひとつの衛星として働く。さらにSBAS衛星は静止軌道にあるため、中〜低緯度地方では天頂に近い高仰角でみえているのも有利な点である (北緯35度では仰角55度)。航空機以外の分野でも、例えばビル街でのカーナビの精度向上にも役立つと考えられている。SBASを補助情報として用いることができるGPS受信機はすでにSBAS対応(WAAS対応)受信機として広く普及し始めている。 日本のMSASについては、航空機でのRNAV運用に伴い、2007年9月27日から試験信号フラグ(MT0)が運用モード(MT2)となり、正式に供用開始となった。ただし初期のWAAS対応機など一部のSBAS対応受信機では、MSASの衛星番号を設定・処理できないため測位に利用できないものがある。